クマ鮭子

3ヵ月間ありがとうございました。
 実はスピードラーニングを受講していました。「意地悪をしているのではないか」と思うくらい曖昧な発音で何回聞いても聞き取れず、日本人は、きっと耳の構造が違うのだろうと諦めていました。今は毎月届いても開封すらせず放置しています。また、TOEICの試験監督もしているのですが、受験者が異常なまでにリスニングの音量や他から出る(鼻をすする音や試験室外からの)雑音を気にする理由がわかりました。それは、英語は(特に前置詞や冠詞が)前後の単語と同化したり、マスクされて聞こえないので、耳から聞き取った音と脳に表示される字づら(単語)とは異なる言語だからではないかと。
 実際の学習では、1~2ヵ月目は正しい発音のみならず、カタカナ英語で発することすら難儀でした。特に精魂尽き果てて帰宅した日や、普段絶対に使わない長い単語が連続した文は、口(舌や頬の筋肉)がいうことをきいてくれない、拒否するのです。酒を飲んだ方が饒舌になるのではないかと試してみましたが、頑張れば頑張るほど噛みますし、口の中はカラカラに。そのうち舌のネチネチ音まで録音されるようになるともうダメです。ドライマウスをも疑い、歯科で診てもらったくらいです。強弱をはっきりさせるために、「強」は大きめに、ネイティブ男性(お手本)のようにためて発音することを心がけると、日本人だと怒っているようにも聞こえ、相手がひいてしまうのではないかと思うこともありました。(日本では、「アンガーマネジメント」という言葉があるくらい、(特に仕事では)感情を出してはいけないという風潮もありますし…)また、「強」を意識(ためるように発音)すると、塩原先生が「英語にはない」といつもおっしゃっていた、促音や音引きの音が生じるのも悩みでした。たとえが不適切かもしれませんが、「強弱」は耳元に“蚊が近づいてくるときのような羽音”を目標にしていましたが、録音を聞くと、意識しているほど強弱の差がないことにがっかり。何十回と録り直す日々でした。
 3ヵ月目は視聴時間がものすごく長い(1時間近い日もあります)ので、昼休みに2文分だけでも視聴しておく、休日に貯金をしておくなど自分なりに時間捻出の努力はしました。普段の生活とは疎遠な文も増え、感情を込めることが特に苦痛になり、「感情をこめて話すような内容じゃないしなぁ」と、だんだん学習が遠のいていってしまいました。
 しかし、このような私でもジョイ先生は翌日にはフィードバックを送ってくださいました。そして数少ない私のよいところを捻出してくださったことに本当に感謝します。SNSをしない私は、塩原先生に直接お尋ねすることができませんでしたので、それだけが励みでした。
 私は海外に行ったり、英語を使った仕事をする予定はありません。しかし、校正者としてスマホ留学で英語を学べたことは本当に貴重な体験でした。それは、英語にはない日本語やことわざなどを、どのように英語にするかという考え方は、日本語をよりよくする仕事をする者して、非常に役に立つからです。
 最後になりますが、この3ヵ月間はアウトプットを提出するだけでいっぱいいっぱいでした。今日で修了ですが、明日からがスタートでもあります。1日目からすべて復習して、できるだけ自分の持っている単語で英語が言えるように努力します。3ヵ月間ありがとうございました。